フケが気になる?~フケの種類と対策~


そのフケ対策間違っていませんか?

こんにちは、毛髪技能士の横溝です。

毎日シャンプーをしているはずなのに、頭がかゆくて仕方がない。肩にのるフケが気になる。なんだか最近抜け毛が多くなってきた気がする。…など頭皮の悩みは尽きることがありません。もしかしたら洗髪が足りてないのかも!と念入りにシャンプーをしてみたりしがちですが、その対策は頭皮にとって正しいものなのでしょうか?
今回は頭皮トラブルの中でもフケについて詳しくご説明いたします。

フケってなに?

フケは、頭皮の角質が脱落したもの(角片)に皮脂の分解物や汗、空気のごみなどが混ざり合ったものです。したがって誰にでも出るものですが異常に多いと問題になってきます。
フケが異常に多くなる原因としては、以下のようなものがあります。心身の過労、睡眠不足、運動不足、不適切な食事、胃腸障害、便秘あるいはビタミンB群の欠乏や更年期障害などがあり、また、より直接的な原因として頭部の不潔があげられます。さらには季節も大きく関係してきます。つまり、空気中の湿度が高く汗をかきやすい夏にはフケが目立たず、空気が乾燥し、汗もかかない冬には異常に目立つ、というわけです。
皮脂分解物の多いものを油性のフケ(油性脂漏)といい、これは多汗に伴うことが多く、ねっとりとして頭皮にへばりついており、落ちにくいのが普通です。思春期以後の男性に多いタイプです。
一方、皮脂分が少なく、角片を主とするものを乾性のフケ(乾性脂漏)といい、これはひっかくとサラサラと粉状に落ちます。
このように油性・乾性の二つに大別され、日本人の場合は乾性のフケが多くみられると言われます。しかし実際は、どちらともいえない中間型の人も多く見受けられますが、いずれにせよ、かゆみが加わってくる上に細菌感染を起こしやすく、さらにはのちに脱毛を招くことにもなるので、生活を規則正しくすること、心身のコンディションを整えることに加え、洗髪をまめに行うようにするといいでしょう。

フケの改善順序

フケが改善されていく順序に従って、重症のフケから軽度のフケへと並べると、次のようになります。

①湿ったカサブタ状のフケ
②乾燥したカサブタ状のフケ
③べとついたフケ
④乾燥した大きなフケ
⑤乾燥した中くらいのフケ
⑥粉状のフケ
⑦正常

個々のフケの状態については、後に詳しく説明しますが、例えば現在、③の段階にあるフケが改善されていくときは、④から⑤へ、⑤から⑥へ、という順序をたどると考えておおむねさしつかえありません。それではフケの状態について、ここに説明いたします。

①湿ったカサブタ状のフケ(粃糠性湿疹・脂漏性湿疹)

フケ症がさらに進むと湿疹を生じることがおおく、遺伝的な体質も関係します。湿疹は治りにくく、また再発しやすくなります。頭部に湿疹ができると、頭皮は赤くなり、フケというよりも黄色ないし褐色のカサブタが見られます。
粃糠性湿疹・脂漏性湿疹ともに、皮脂腺の分泌はかえって減少すると言われており、したがってここでいう湿ったフケとは皮脂そのものによって湿るのでなく、炎症が著しくなることに伴ってにじみ出た浸出液(白血球・血漿・リンパ液など)のために湿潤するのです。こういう湿疹が生じると痛がゆい感じがしますが、そのために頭部をかくとさらに悪化して二次感染を起こすことがあります。脱毛があり、長く続くと毛髪は次第に薄くなります。こういったフケが出ている人はまず皮膚科医の専門的治療が必要になるので病院へ行くことをお勧めします。

②乾燥したカサブタ状のフケ(粃糠性皮膚炎)

昨今、薬物や洗剤あるいは化粧品による皮膚炎(かぶれ)が問題となっていますが、頭部の皮膚炎も、ヘアダイ液やコールドウェーブ液のような化学物質が原因になって起こる場合があるようです。しかし、なかには体質や内臓の病気によって起こるものもあるといわれます。
頭皮は赤く、カサブタができることもありますが、湿疹に比べて乾いて色が鮮明で、かゆみがひどく、上記①の湿疹に移行して長く悩まされることがあります。こちらも皮膚科医の治療を受けることをお勧めします。

*「湿疹」と「皮膚炎」とは起こり方が異なりますが、症状的にはほとんど同じと考えてよいでしょう。したがって粃糠性湿疹と粃糠性皮膚炎もほぼ同じものですが、後者はやや軽症であるためこのような語に区別しました。

③べとついたフケ

この段階のフケは皮脂を多く含んでいるためべとついて大きく、手に取ってみると毛孔がたくさんあいていて、脱毛はあまり目立ちません。かゆみがあり、かけば一時的に止まりますが、かかないようにしてください。頭皮はピンク色をしています。

④乾燥した大きなフケ

フケが乾いてきて、頭皮から浮き上がってきます。かゆみは皮膚の深部にあって、かいてもなかなか止まりません。かゆくてもかかないように、また、フケをかき取らないようにする注意が必要です。

⑤乾燥した中くらいのフケ

この段階では、フケはカサカサした中くらいの大きさで、量が多くなります。頭皮は白っぽく、かゆみは皮膚深部にあります。こちらも④と同様、かゆくてもかかないように、また、フケをかき取らないようにする注意が必要です。

⑥粉状のフケ

フケは細かくなり、頭皮にへばりつくような状態です。頭皮は白く光っています。

⑦正常

頭皮は半透明で、照りのない状態が正常ですが、実際には、そこに生えている髪の毛がすけて見えるため、くすんだ青みをおびています。フケは出ても生理的な範囲内です。

フケの対策

頭皮が乾燥しないように注意をくばり、保湿を心がけることが大切です。洗浄力が強すぎるシャンプーは皮脂を取り除きすぎてしまうので、頭皮の乾燥につながる場合があります。乾燥しやすいと感じたら、使っているシャンプーを見直してみてください。1日に何回もシャンプーをするのはよくないですが、カビ菌を繁殖させないためにも、頭皮を清潔に保つようにしてください。
また、食生活の見直しも重要です。栄養バランスのとれた食事を心がけましょう。

最後に

フケが目立っていたり、かゆくて頭をポリポリかいてしまうと、人にはどうしても不潔な印象を与えてしまうものです。何よりも自分が不快感を持ち続けてしまうことになります。フケが発生しているということは頭皮トラブルが起きているということ。できるところから自分にあったケアをしていきましょう。


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