あなたは気づいてる?頭皮の変化による脱毛。


脱毛が気になるのであれば頭皮の変化に気づくべし!

こんにちは、毛髪技能士の横溝です。

突然ですが、頭皮の変化が脱毛を促進させるという事実をご存知でしょうか?
「シャンプーをしていると、前よりも髪の毛の抜ける量が多くなってきた気がする。」「最近おでこが広くなってきたかもしれない。」などなど、脱毛を意識しだすきっかけというのは人それぞれ違うと思います。
ただ、髪の毛というものは頭皮から生えてくるものであり、脱毛と頭皮とは切っても切れない関係性にあるのです。抜けている毛を見て自分が脱毛していると気づく人は多いと思いますが、実は脱毛が進行するもっと前に頭皮は変化を表しています。脱毛をストップさせる一番の方法は、早期発見・早期治療です。生えなくなってしまった髪の毛をはやすのはそう簡単にできることではありません。並々ならぬ努力が必要になりますし、お金も時間もかかってしまいます。しかし、今生えている髪の毛を抜けなくする努力というのは、生えなくなってしまった毛をはやす努力に比べればそう難しいことではありません。
進行してしまった脱毛に気づくよりももっと早く、頭皮をしっかり観察することにより、頭皮の変化に気付けるとだいぶ早い段階で脱毛を食い止めることができます。
今回は脱毛を引き起こす頭皮の変化についてご説明します。

脱毛の進行と頭皮の変化

髪の毛は、美しさを生む大切な要素ですが、人体の生理機能として、頭皮とともに頭蓋骨、ひいては脳を、打撲・圧迫・摩擦、あるいは紫外線などの外部的刺激から守り、保温につとめ、また体内微量金属蓄積量の調整などをつかさどっています。また、頭皮も髪の毛と同じように、頭蓋骨、ひいては脳を外部的刺激から守る働きをしており、髪の毛の”工場”としての役割は重要です。
ホルモンや神経系のバランスが崩れると、血行障害や栄養のバランスも崩れます。このため頭皮の正常な生理機能が維持されなくなって、抜け毛が増え、一方では交代毛の順調な発育も阻害されて、脱毛を進行させることになります。若年性ハゲの大部分はこうして起こります。
また老人では、皮膚の老化すなわち細胞増殖能力低下・機能低下によって脱毛します。これが老人性ハゲといわれています。
最近では、このような生理的変化に加えて、各種公害(空気・薬品・食物など)や物理的な刺激を頭皮・毛髪に与える習慣(結髪・ブラッシング・引っかきなど)の影響もあって、異常脱毛を促進しています。髪が薄くなって役割を十分に果たせなくなってくると、頭皮がそれを補い代行するように次第に変化してきます。この変化を次に述べていきます。

髪が役割を果たせなくなったことによる頭皮の変化

①頭皮の緊張・硬化

頭皮が正常な時には毛も正常に伸び、同時に正常な周期を維持していますが、頭皮の代謝のバランスがくずれると、その両方が阻害されます。その段階から頭皮が硬くつっぱるようになり、頭蓋骨に密着します。外見上はうるおいがなくなり、光ってきます。外からの刺激に対しては防護力が強まり、少々ひっかいたくらいでは傷がつきません。これは、毛髪の保護作用に代わるものであると言われています。
このような変化は毛髪の役割を一部代行するという意味では重要ですが、一方では、組織を圧迫して血行を阻害し、正常な皮膚代謝を妨げるため、毛の周期を次第に短くさせて脱毛の進行を促進し、それがまた頭皮の緊張・硬化を早めることになります。ただ、これらは一気に進行するのではありません。つまり、髪が薄くなっていく段階で、異常なフケ・かゆみがあったのが、ある時期それは小休止して異常脱毛を起こし・・・、というような繰り返しの間、頭皮の緊張・硬化は徐々に進行するというわけです。この過程で硫化物やアルコールの入った薬品を使うと、変化を異常に促進させることがあります。全頭一律ではなく、生理代謝機能の比較的よい部分では、このような変化の進行は遅れます。

②メラニン色素沈着

本来、頭皮の色は、白く半透明です。ただし、毛があるときは、毛孔内に入っている部分が透けて見えるため、青っぽくくすんで見えます。髪が薄くなり、頭皮の緊張・硬化が進むと、それに伴って頭皮の色も変化してきます。さらに紫外線をじかに受けるためメラニン色素が沈着して褐色化し、不透明になってきます。髪の毛は、頭皮と外気の間に空気の層を作って保温の働きをしています。

③発汗量

頭皮の緊張・硬化が進んでも、汗腺の働きはそのまま維持され、頭皮の温度調節を行います。発汗量が、髪のあったときよりも増えたように見えますが、それは髪がないため、汗が流れてきて目立つからにすぎません。なお、皮脂腺の働きもあまり変わることなく維持されます。

脱毛の改善による頭皮の変化

脱毛が改善され始めると、頭皮は4段階の変化を経て、健康的な頭皮を取り戻していきます。順を追ってその変化を説明します。

①第一段階

毛が抜けてから数年のたった頭皮は、褐色で照りがあり、硬く突っ張ていますが、正しい育毛活動をスタートするとほぼ3~6か月で変化が生じてきます。
照りがなくなり、全体的にややくすんでくるとともにつっぱりも若干ゆるみます。毛孔が開き出し、よく見ると孔のふちが白っぽく、中心が黒くなっています。毛孔がさらに開くにつれてニキビ状に皮膚の凝固物が出てきますが、これを決してひっかかないように注意しましょう。この時期は、育毛剤の量を多く使用します。なお、粃糠性では毛根に毛包組織の付着が見られなくなります。

②第二段階

正しい育毛活動を始めて6~10か月たつと、頭皮が弾力性をおびてきて、ピンクがかった黄色となります。毛孔は第一段階よりもさらに広がり1~2㎜の毛がチクチクと触れるようになります。この時期は育毛剤の塗布回数を多くし、吸収量を増やすようにすることが大切です。まだニキビ状に皮脂の凝固物が出ますが、ひっかかないようにします。

③第三段階

正しい育毛活動を始め10~14カ月たつと、頭皮は弾力性に富んできて、白っぽくなり、毛孔の部分はややへこむのでミカンの皮のような状態となります。
この時期は初め、毛の伸びが早く、それが次の第四段階に移行する途中で毛の伸びが全体的に一時ストップしたようにみえます。これは、新しく生えてきた毛も激しく抜け替わるためであり、それを繰り返し、次第に寿命が延び、丈夫な毛に変わっていきます。
もともと残っていた毛の脱毛はあまりありません。新しく生えてきた毛がそのまま本来の長さに伸びるのを望みがちですが、頭皮は一気に改善されるものではありません。毛根はそれぞれ単独に周期をもち、寿命をもっています。したがって、抜け替わり交代しつつ1本1本の毛が徐々に本来の周期を回復していくことこそが、自然の理にかなっており、また、それ以外に方法はありません。ゆっくりですが、着実に改善しているということを理解してください。この状態は14~18カ月続きますが、個人差もあり、また、同じ人間でも頭部の、ある個所では第三段階まで進んでいるが、他の箇所では第二段階ということもあります。

④最終段階

正しい育毛活動を開始し、28~32カ月たつと、前額生えぎわだけは遅れますが、全体に頭皮はミカンの皮状となり、色も白くくすんできます。フケ・カユミはほとんどありません。
この段階では、1本1本の毛に周期の差が生じており、代謝の活発な部位では毛が長く密度が濃いが他の部位では薄い、というように部位によって違いがあります。毛は長く伸びますが全体にわたって密に生えてこないため、地肌だけ透けて見えます。新しく生えてきた毛で3~6cmぐらいで抜け替わるものもあります。抜けた毛をよく見ると、毛先がとがって白っぽく毛根が太くなり、もともと残っていた毛の脱毛はほとんどありません。
この段階から、ほぼ正常に回復したと考えてよいでしょう。発毛が止まったと見えるとき(抜け替わりが激しいとき)は、育毛剤の使用量を多くしてください。

最後に

自分がどのレベルの脱毛を引き起こしているのかというのを判断するのは、抜けてしまった毛を見るよりも頭皮を見るほうが簡単に判断できます。自分に合った育毛活動をすることで無駄なく、適格に対処していきましょう。そしてできるだけ悪化する前に手をうつことができるとなおいいですね。


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