ヘアサイクル(毛周期)って何?発毛から脱毛まで、髪の一生を追ってみよう!


ヘアサイクルの乱れが脱毛を招く?!

こんにちは、毛髪技能士の横溝です。

みなさんは髪の一生をご存知ですか?
朝起きて枕に髪の毛がついていたり、何気なく髪を触ったときに指に髪の毛がついてきたり、少しずつですが毎日髪は抜けています。ところで1日平均どれくらいの髪が抜けているのかというと、個人差はありますが1日平均約50~100本髪が抜けると言われています。そのうちの半分がシャンプーのときに抜けています。もちろんこの数は季節によって多少の変動がありますので、特に秋には多くなることが知られています。また、季節だけではなく体調や精神面もヘアサイクルに影響を及ぼします。
今回はヘアサイクルと髪の毛について詳しく説明していきます。

ヘアサイクル(毛周期)とは?

髪の毛は休むことなく毎日連続的に成長を続けているのですが、ある時期が来るとこの成長が止まり、やがて抜け落ちてしまいます。「ヘアサイクル(毛周期)」とは簡単に言うと、髪が発毛して脱毛しまた発毛するという循環、つまり髪の一生・髪の寿命のことをさしています。
通常のヘアサイクルは男性の場合は2~5年、女性の場合は3~7年といわれていますが、個人差がありヘアサイクルが長い人では15~20年も伸び続ける人も見られています。
毛が生えたり抜けたりする仕組みは、ホルモンが関係していると考えられていますが、実際にはまだまだ解明されていない部分が多いのが現状です。頭髪のすべてがいっせいに抜けるわけでもなく、また一箇所からまとめて抜けるわけでもなく(円形脱毛症は別として)目立たない程度に、あちこちから抜け、そしてまた時期が来ればそれぞれ生え始めてくるのです。この事実はひとつひとつの毛根が周囲に関係なく、独立して働いていることを裏付けているのですが、なぜそうなるのかはいまだに解明されていません。

ヘアサイクルの3つの期間

髪は常に成長しているわけではなく、一定期間の成長期が過ぎると、毛根は細胞分裂を止めて角化を始めます。そうすると髪の成長は止まり、同時に毛根は次第に表面に押し上げられ、脱毛します。そしてある時期になると、また新しい成長期の毛が生えてくることになるのです。この毛の生え変わりをヘアサイクルと呼んでいます。
ヘアサイクルは主に3つの期間に分けられます。

1「成長期」2~6年間

髪の毛は毛母細胞が細胞分裂することで上に押し上げられた細胞が「角化」して誕生します。活発な細胞分裂によって髪が伸び続ける期間のことを成長期と呼びます。ヘアサイクル全体の90%が成長期とされており、この成長期は健康的な髪の場合は約2~6年続きます。頭髪の90%が成長期の段階なので毎日シャンプーで毛が抜けても、全体の髪の毛の量はほとんど変わらないのです。

2「退行期」2週間

それまで活発におこなわれていた細胞分裂がストップします。この退行期に徐々に毛根が縮小し、休止期を迎える準備が進みます。つまり髪の成長が終わりに向かっている状態です。この退行期は約2週間ほど続きます。

3「休止期」3~4か月

髪の毛の活動が完全に停止した状態で、次の成長期に向けて準備をおこなう期間です。頭髪全体の約10%が休止期にあるといわれており、この期間は新たな髪が生まれることも成長することもありません。この成長が止まった髪の毛は、次の成長期の早い段階で新しい髪の毛に押し出さて抜け落ちます。休止期は約3か月ほど続き、髪が抜け落ちた毛穴からまた新しい髪の毛が成長期へと向かっていきます。

以上が健康的なヘアサイクルの流れです。髪はこのヘアサイクルによって一生を終えるため、美容院に行かなくても髪は一定の長さまで伸びるとそれ以上は伸びずに抜け落ちてしまいます。ちなみに髪の毛の伸びるスピードは1日に0.2~0.5ミリほどと考えられていますが、最も早く伸びるのが頭頂部だと言われています。髪を切って3か月もするとだいぶ伸びてきますが、部位によって伸びる速さは違います。

ヘアサイクルの回数は実は決まっているって本当?!

人は一生のうちで約15回ほどヘアサイクルを繰り返すと考えられています。健康的な髪の場合だと、約6年で1周期を迎えると考えると、90歳くらいまではサイクルがあるということですね。ただし、老化現象によってヘアサイクルの期間が短くなると、退行期・休止期にあたる髪の毛の量が増えてしまうので、結果、加齢とともに頭髪全体のボリュームが少なくなってしまうことになります。
また、AGA(男性型脱毛症)を発症してしまうと、2~6年あった成長期が数か月~1年と極端に短縮されてしまいますので、若くても薄毛になってしまうのです。健康的な頭髪の人が90歳までヘアサイクルがあるのに対し、AGAを発症してしまった人は1年で毛が抜けるので15年でヘアサイクルが終わってしまいます。つまり、25歳でAGAを発症した場合、36歳にはヘアサイクルが終わってしまうのでその後は髪が生えてこなくなります。よく、薄毛対策は早く取り組んだほうがいいと言われていますが、その理由はヘアサイクルの上限回数が決まっているからなです。放置しすぎていると上限回数を上回ってしまい、改善が見込めなくなります。

最後に

毛が生えてから抜けるまで、髪にはヘアサイクルというものがあります。正常なヘアサイクルであることが頭髪をいつまでも若々しくキープする秘訣です。乱れてしまったヘアサイクルを取り戻そうと努力してもすぐに結果が出ることはありません。ヘアサイクルの改善期間は最低でも約6か月はかかってしまうのです。正常なヘアサイクルに戻すための方法はいくつもありますが、ポイントは「早期・長期取り組みが大切」ということです。


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