抜け毛の多さは季節で変わる!季節の変わり目は抜け毛に注意


枕カバーやお風呂の排水口の抜け毛を見てドキッとした経験はありませんか?特に秋や季節の変わり目には「最近抜け毛が増えたかも…」と不安に感じる人も多いようです。

実際に抜け毛の量は季節によって差があります。季節の変わり目は通常の2倍以上の髪の毛が抜けることもあるのです。

今回は抜け毛のメカニズムや抜け毛が増える季節、男女や年齢での違いについて解説します。季節ごとの抜け毛の原因を知り、その季節にあわせて適切な対策をすることで、抜け毛の量は減らすことができますよ。

抜け毛の多さと季節の関係

抜け毛の多さと季節にはどのような関係があるのでしょうか?まずは大前提としてなぜ髪の毛は抜けてしまうのか、抜け毛のメカニズムから解説します。

髪の毛には一定のサイクルがある

髪の毛は新しく生えて成長し、抜け落ちてまた生えてくるという一定のサイクルを繰り返していて、このサイクルのことを「ヘアサイクル」または「毛周期」といいます。

ヘアサイクルには「成長期」「退行期」「休止期」の3つの段階があります。

成長期

毛母細胞が細胞分裂を繰り返し、新しい髪の毛が育っていく期間を成長期と呼びます

男性と女性とでは成長期の期間は異なり、男性は約4~5年、女性は約5~6年といわれています。

全体の髪の毛のうち約80%~90%は成長期の段階です。

退行期

毛母細胞の細胞分裂が減少し、髪の毛が成長しなくなる段階を退行期と呼びます

髪の毛が毛母細胞から離れて自然に抜け落ちるまで、約2~3週間ほどかかります。

退行期は男女間での差はありません。髪の毛のうち全体の約1%が退行期の段階の髪の毛です。

休止期

毛母細胞の細胞分裂が完全に止まり、髪の毛が抜ける時期を休止期といいます

休止期は2~3か月ほど続き、このあいだ毛乳頭は新しい髪の毛の準備を始めます。

休止期の髪の毛は全体の約10~20%といわれています。

季節によって抜け毛の多さが変わる原因

 

髪の毛には「成長期」「退行期」「休止期」の3つの段階があり、健康な人でも髪の毛の約10~20%は休止期の髪の毛です。

そのため、毎日約50~100本の髪の毛が抜けるといわれています。それ自体は自然なことなので心配する必要はありません。

この抜け毛の本数は季節によってもばらつきがあり、1日約200本以上に増えることもあります。季節によって抜け毛の多さが変わる原因については以下の2つが考えられます。

人間にも換毛期がある?

ペットを飼っている人はご存じだと思いますが、動物には「換毛期」があります。換毛期とは次の季節に合わせて動物の毛が生えかわる時期のことです。

動物の種類によってもこの時期は異なりますが、主に季節の変わり目の春と秋には、たくさん毛が抜けて新しい毛が生えてくる動物が多いようです。

実は人間にもこの換毛期のなごりがあり、春と秋は抜け毛の量が増えるといわれています

季節によって頭皮環境が異なる

その季節の気温や湿度によって頭皮環境も異なります。気温も湿度も高い夏の時期は汗や皮脂の分泌量が増えるため、頭皮の毛穴が詰まりやすくなったり、雑菌が繁殖しやすくなったりすることがあります

また、季節の変わり目は急激な気温の変化に体が対応しきれずに、自律神経のバランスを崩しやすくなることも抜け毛が増える原因の一つです。

そのほかの抜け毛の原因

健康な人の髪の毛は一定の期間をかけて新しい髪の毛に生まれ変わりますが、ストレスや生活環境、ホルモンバランスなどによってヘアサイクルが乱れてしまうと、抜け毛が増えたり健康な髪の毛が生えてこなくなったりすることがあります。ここではヘアサイクルを乱すさまざまな原因について解説します。

ストレス

仕事や人間関係の悩みで常に精神的なストレスを抱えていると、自律神経がバランスを崩し血管や毛根の働きが悪くなってしまいます。髪の毛に栄養が十分にいきわたらなくなるため、抜け毛の量が増えたり、新しく生えてくる髪の毛が細くなったりすることがあります。

食生活の乱れ

脂っこい食事やアルコール、塩分や糖分の取りすぎは抜け毛の原因になります。また、健康な髪の毛をつくるためには、髪の毛の原料となるたんぱく質や、たんぱく質の合成に必要な亜鉛などの摂取が必要です。これらの栄養素が不足している場合にも抜け毛が増えることがあります。

睡眠不足

睡眠時間が不足していたり、睡眠の質が悪かったりすると、自律神経やホルモンバランスの乱れにつながります。ホルモンバランスが乱れると血行が悪くなり、髪に十分な栄養が届かなくなるので抜け毛が増えてしまうことがあります。また、髪の毛の成長にかかわる成長ホルモンは睡眠中に分泌されるので、睡眠不足は抜け毛の原因になります。

紫外線

頭皮は身体の中でも最も紫外線の影響を受けやすい部位です。頭皮や毛根が紫外線を浴びると体内に活性酸素が発生します。活性酸素は毛母細胞を傷つけ、それによってヘアサイクルが乱れてしまうので、髪の毛が通常よりも早く抜け落ちたり、新しい髪の毛が生えてこなくなったりする原因になります。

抜け毛が多くなる季節は?

1年の中で最も抜け毛が多い季節は秋といわれています。また、春先や梅雨時期などの季節の変わり目にも注意が必要です。ここでは季節ごとの抜け毛が増える原因について解説します。

夏の過酷な環境で頭皮に蓄積されたダメージが、数か月経って現れてくるのが11月ころです

夏の強い紫外線は毛母細胞に深刻なダメージを与えます。さらに夏は汗や皮脂の分泌量が増えるため頭皮環境も悪化してしまいがちです。

クーラーのきいている室内と屋外との温度差でに身体がついていけずに自律神経のバランスが乱れたり、夏バテでバランスのいい食事が摂れずに栄養が不足していたりと、夏は髪の毛に悪い影響を与える要因がたくさんそろっているのです。

これらの夏に受けたダメージが秋に顕在化するのに加えて、秋は冬に備えて新しい毛に生え替わる換毛期とも重なるので、急に抜け毛が増えたと感じる人も多くなります。

季節の変わり目

冬から春にかけての時期や春から夏にかけての梅雨の時期も抜け毛が多くなります。

春先

冬から春にかけての季節の変わり目である3月も、毛が生え替わる時期なので抜け毛が通常より多くなることがあります。

さらに3月は環境が変化することも多く、仕事や対人関係のストレスが増える季節です

ストレスがあると自律神経のバランスが乱れてしまいます。

自律神経には活動時に活発になる「交感神経」と休息時に活発になる「副交感神経」があるのですが、ストレスを受けると交感神経が優位になり続けます。交感神経には血管を収縮させる働きがあるため、髪の毛への栄養や酸素が十分にいきわたらなくなり、抜け毛の原因になることがあります。

またストレスによって眠りが浅くなったり、睡眠中何度も目が覚めたりして睡眠の質が低下すると、髪の毛の成長を促す成長ホルモンが正常に分泌されなくなってしまうことも考えられます。

梅雨

春から夏にかけての季節の変わり目は気温も湿度も上がるため頭皮環境が悪化しがちです。

汗や皮脂の分泌量が増えて皮脂が毛穴に詰まったり、頭皮に雑菌が繁殖したりすることがあるので健康な髪の毛が育ちにくくあることがあります。

 

年齢による抜け毛の違い

秋や季節の変わり目は毛の生え替わりの時期だということに加え、ストレスや疲れが蓄積して一時的に抜け毛の量が増えることがありますが、若くて健康なうちは自然に回復するので心配する必要はありません。

しかし歳をとるにつれて、4~6年だった髪の成長期がだんだん短くなっていきます。成長期が短くなるということは、髪の毛が十分に成長する前に退行期や休止期に入ってしまうということです。

抜け毛の量が増えることは若いときでもよくあることですが、「短くて細い抜け毛が増えてきたな」と感じたら、薄毛になりかけている可能性があります

男女での抜け毛の違い

 

男性も女性も年齢を重ねるにつれてヘアサイクルが乱れ、抜け毛が多くなりますが、ヘアサイクルの乱れ方は男女で異なります。

男性の場合は成長期の期間が短くなり、髪の毛がまだ短くて細いままの状態で抜けるようになります。女性の場合は休止期の段階の髪の毛の割合が増えるので、抜け毛の本数が増え密度が低下します

男性の場合、思春期を過ぎたころから髪の毛が細くなっていきますが髪の毛の本数自体はあまり変化しません。一方女性は30代後半から徐々に髪の毛が細くなり本数も少なくなっていくのが特徴です。

また、女性の場合は女性ホルモンが大きく変化する出産後も抜け毛が多くなります

妊娠中は女性ホルモンの一種であるエストロゲンの分泌が増えるため、本来抜けるはずの髪の毛が抜けなくなります。

出産後はエストロゲンの分泌量が正常に戻るので、妊娠期間中に抜けなかった髪の毛が一気に抜けるのですが、時間が経てばまた新しい髪の毛が生えてくるので心配はいりません。

季節の変わり目の抜け毛を予防するには?

季節によって抜け毛の原因には違いがあることをご紹介しました。

換毛期に抜け毛が増えることは自然なことですが、秋や季節の変わり目の抜け毛は予防することが可能です

夏の紫外線対策

紫外線は頭皮に深刻なダメージを与えるため、夏の時期は帽子や日傘などで紫外線対策をしましょう。夏の紫外線ダメージを防ぐことが秋の抜け毛を予防することにつながります。

頭皮環境を整える

夏や梅雨の時期は皮脂のバランスが乱れて毛穴に溜まりやすくなります。クレンジングやシャンプーなどで頭皮をしっかりと洗いましょう。必要な皮脂は残しつつ、余分な汚れのみを取り除くことが大切です

バランスの取れた食生活

わたしたちの身体は食べたもので作られています。ファーストフードやアルコールなどを過剰に摂取することは避けて、大豆や肉、魚、卵などの良質なたんぱく質を積極的に取りましょう。タンパク質の合成に必要な亜鉛はサプリメントで摂取するのもおすすめです。

十分な睡眠をとる

自律神経のバランスを整え、成長ホルモンを分泌させるためには良質の睡眠が欠かせません。寝る前のアルコールやスマホは睡眠の質を下げるので避けましょう。毎日決まった時間にベッドに入り、十分な睡眠時間を確保することが大切です

まとめ

今回は抜け毛と季節の関係についてご紹介しました。ストレスがたまりやすい季節の変わり目はしっかり睡眠をとる、秋の抜け毛を予防するために夏は紫外線対策を心がけるなど、季節に合わせた対策をすることで、抜け毛は減らすことができます。ぜひ意識してみてください。


Page Top