抜け毛の原因は?年齢と性別・症状による違いを解説


抜け毛や脱毛というと男性の問題と考えがちです。しかし女性も出産後や閉経後に毛が抜け始めたり、髪の毛が痩せてくると言った悩みを抱えている人たちが多くいます。今回は抜け毛に関してその原因が性別や年齢、病気、また生活習慣などによって違いがあるのか?を探っていきます。

抜け毛の原因【性別】

私たちの髪の毛は男性も女性も1日に約100本抜けていきます。性別による抜け毛の原因は、ストレスや生活習慣など共通の原因もありますが、根本的に男性ホルモンと女性ホルモンのバランスによって生じます。ここでは性別によってどのような違いがあるか?をあげてきます。

男性の抜け毛の原因

男性の抜け毛の原因は主にAGAによるものが多く、その特徴は毛根を形成する毛包が小さくなり、発毛しても健全に成長する事が無く短いまま抜け落ちることです。抜けた毛をチェックしてみると、毛根が膨らんでいないのが分かるはずです。

AGAタイプの脱毛は早い人であれば20代から発症します。脱毛が進むスピードには個人差があり、10年くらいかけてゆっくりと進行する人もいれば、数年でかなり髪の毛がなくなる人といます。

テストステロンの過剰分泌は遺伝しますが、100%という訳ではありません。他にも生活習慣やストレスなど色々な問題が考えられます。

女性の抜け毛の原因

男性の脱毛が20代と言う早い時期から始まるのに比べ、女性の抜け毛は女性ホルモンの低下によるものが多く、出産後や閉経後に抜け毛や薄毛に悩むということが多いようです。女性の脱毛の悩みは髪の毛が抜けるよりも髪の毛のハリやコシが無くなる、密度が少なくなり分け目が広がる、頭皮の地肌が見えてしまう、髪の毛のボリュームが無くなるという形で現れます。

また若い女性でも過激なダイエットや生活習慣の乱れによって、髪の毛に必要な栄養が行き渡らず抜け毛の原因になることもあります。

 

人間の体には性別に関わらず、女性ホルモンと男性ホルモンの両方が分泌されます。

男性ホルモンの増加、もしくは女性ホルモンの低下により、男性ホルモンの特徴である脱毛が起きてしまうということです。

 

抜け毛の原因【年齢別】

抜け毛の問題は年齢によっても変わってきます。ここでは年齢別に考えられる抜け毛の原因を探っていきます。

幼児・小学生~

本来健康な子供の髪の毛が抜けるという事はありません。子供の髪の毛が大量に抜けるといった場合には、強いストレス、栄養不足また病気が考えられます。子供抱えるストレスには、親からの過剰な期待や学校での人間関係などが考えられ、ストレスの原因を突き止め緩和させる事で治ってきます。

病気として考えられるのが頭部白癬です。これはペットなどに住み着いているカビが子供の頭皮に感染し、髪の毛が抜けていくものです。市販の塗り薬をぬって抜け毛が悪化し、永久に髪の毛が生えて来ないという事もあり得るので、病院に行ってきちんと治療をする事が大切です。バランスの良い食事、十分な睡眠を与えシャンプーで頭を清潔に保つようにしましょう。

10代 -20代

10代、20代と言う若い時期に起こる抜け毛や脱毛は、日常生活で生じる強いストレスや睡眠不足や偏食です。また思春期には成長ホルモンが活発に分必され、バランスが取れずに、抜け毛に繋がる事もあります。生活習慣の乱れが頭皮の乾燥を生み抜け毛を発症させる、自分の頭皮に合わない整髪料やヘアケアによって抜け毛が出てくる事も多くあるようです。

30代-40代

30代-40代の脱毛や抜け毛の原因は男性か、女性かによっても違ってきますが、男性ホルモンが強い人は徐々に髪の毛が薄くなる、抜けてくると言った症状が出てきます。遺伝や男性ホルモンだけでなく生活習慣の悪化も抜け毛のスピードを早めてしまうため注意が必要です。

それ以外の原因として考えられるのは、過激なダイエットによる栄養不足、強いストレスなどが考えられます。

高齢者

高齢者が抱える抜け毛の原因は細胞の老化によって毛乳頭細胞の育成が出来なくなる老化現象の一つです。頭皮の血行を良くする、マッサージをして刺激を与えるなど対策や予防を行う事は可能です。

ホルモンの関係や遺伝によるもの、また年代によって抜け毛が生じる原因が変わってきます。しかしどの年代にも共通しているのは、強いストレス、偏食や過激なダイエットによって、毛根や髪の毛に栄養が行き渡らない事が上げられます。

 

抜け毛の原因【部位別】

抜け毛は頭部全体で起こる人、一定の場所で起こる人など様々です。抜け毛が起こる部位によって原因が異なるケースがあります。

生え際(おでこ、前髪)の抜け毛(M字型)

前髪の生え際から始まる抜け毛は、ホルモンのバランスによるものが原因です。男性も女性も遺伝による要因が強いといえます。おでこの両サイドの生え際から頭頂部に進んでいき、つむじ付近の毛も抜けていきます。最終的には頭頂部まで達し全体の髪の毛が無くなります。

側頭部の抜け毛

側頭部の抜け毛の原因は、男性ホルモンによるもの、また女性の場合ポニーテールの様に頭の後ろで結ぶといった髪型を続けていることも原因の一つにあげられます。特徴はこめかみや耳の周りが薄くなる事ことから抜け毛が始まる事があげられます。

頭頂部の抜け毛(O字型)

頭頂部の抜け毛の原因は、やはり男性ホルモンによるものがほとんどです。髪の毛が抜けるというよりも細く、弱く抜けやすくなるもので、時間をかけて徐々に抜けていきます。女性でも閉経後など男性ホルモンの分泌が強いと生じる事があります。

男性ホルモンによる抜け毛の場合、生え際から抜け始め頭頂部に達するケースと、頭頂部から抜け始めるケースがあります。

後頭部の抜け毛

頭の後ろの部分が抜け始める原因は、食生活の偏り、ストレスなどの生活上の問題が原因です。場所が頭の後ろと自分では気が付きづらく、人に指摘されて気が付くことがほとんどです。食生活の改善はもちろん、仰向けで寝るのやめてみるなどの対策が可能です。

つむじの抜け毛

つむじを中心に頭のてっぺんから抜け毛が始まっていく原因は、男性ホルモンによる事が原因です。地肌が透けて見える、髪の毛全体のボリュームが少なく見えるといった問題が出てきます。

髪の毛が抜ける場所によって多少の違いがありますが、根本的にはホルモンのバランスの問題、男性ホルモンが強く出る事が原因としてあげられます。もともと自分が持っている遺伝的な要因に加え、日常生活で生じるストレスなどが加算されることで、抜け毛のスピードを上げてしまいます。

ストレスは抜け毛に影響する?

会社や家庭での人間関係でのストレス、また仕事や学業の成績からくるプレッシャーなど、私たちがストレスを感じる原因はたくさん考えられます。ストレスが体内に溜まってくると、自律神経のバランスが崩れ血液の循環が悪くなり、髪の毛の隅々に栄養が行き渡らず抜け毛に繋がります。

ストレスと意識できるものは、自分でも解消しようと様々な対応が可能です。しかし自分でも意識せずに生じるストレスは、発散する事が出来ず知らない間に溜まってきます。すべてのストレスが抜け毛を生むわけではなく、食生活の習慣や睡眠不足また運動不足など日常生活上の習慣から抜けやすい状況を生み出すことになります。

抜け毛と病気の関係

髪の毛が抜けるというのは、病気のサインということもあります。髪の毛が抜ける直接の原因はホルモンの問題であっても、その原因が病気からきている事が多いからです。その場合その病気を治すことで、抜け毛を防ぐ事が可能です。

パセドウ病や橋本病

甲状腺ホルモンのアンバランスから来る抜け毛。円形脱毛症の約8%が甲状腺アンバランスから来る抜け毛という報告があります。

膠原病

自己免疫疾患である膠原病も抜け毛の原因になります。体がだるい、微熱があるという症状と共に抜け毛の症状が現れる事があります。

梅毒 

梅毒の症状は発症後、時が経るにつれその症状が変わってきます。感染後3ヶ月ほどで全身の発疹、炎症と共に円形脱毛が発症する事があります。

脂漏性皮膚炎や頭皮の皮膚炎

皮脂が多い箇所に発症するカビが原因の皮膚炎です。頭皮の炎症、痒みやフケが増えてくると同時に、髪の毛が抜けてきます。

抜け毛や脱毛には、その原因が様々な病気である事も多く、その場合病気の治療を行うことで症状を緩和する事も出来ます。また逆に病気の治療によって大量の抜け毛が起こる事もあります。

病気の治療による抜け毛

病気を治すために取る薬や、治療法による副作用として大量の抜け毛を生む事があります。もっとも良く知られているのが抗がん剤治療や、放射線治療による副作用です。

薬による抜け毛は、取っている薬一つ一つには抜け毛の原因が無くとも、幾つかの薬の取り合わせによって抜け毛の原因になる事です。薬を取るときは医師にきちんと説明を求める事も大切です。

糖質制限は抜け毛が増える?

ダイエットやメタボ対策、糖尿病や高血圧への対策として糖質制限を行っている人も多くいます。糖質制限はごはんやパンなど糖質を多く含む炭水化物を制限するものです。

ダイエットで糖質制限が人気があるのは、炭水化物だけを制限、お肉や魚などのたんぱく質やミネラル、ビタミンなどは制限されず食べる事が出来るからです。糖質制限は抜け毛とどのような関係にあるのでしょうか。

糖質制限は抜け毛の改善につながる?

糖質を必要以上に摂取すると肝臓にたまり、納まらなくなってしまうと中性脂肪として貯蓄され、血液がドロドロになり血行が悪くなります。これが高血圧や動脈硬化の原因となるために、食事療法として糖質を必要以上に取らないように医師から始動される事があります。適切な糖質制限の場合、髪の毛の成長に必要なたんぱく質を、糖質制限でも摂取する事は可能です。

糖質制限は血液の循環を活性化させることから、頭皮の状態が改善され毛根を始め、髪の毛まで栄養を行き渡らせることが出来るようになり、抜け毛の改善につながる事があります。

過剰な糖質制限はやはり抜け毛を増加させる

糖質制限はダイエットや糖尿病などの生活習慣病の観点から、体が必要としている量に制限する事です。しかし近年は糖質をほとんど摂らないなど、過度な糖質制限が流行っているようです。

この場合、確かに体重は減少しやすいのですが、必要以上の糖質を制限することになります。体重が落ちるだけではなく毛根や髪の毛に必要な栄養も送れなくなってしまうために、若く健康な髪の毛であっても栄養不足に陥り抜け毛が増加するといった事が出てきます。

髪の毛に糖分は必要ありません。しかし糖分は体の中で様々な決定を行う脳にとって必要な物です。そのために脳内で糖分が足りなくなると、たんぱく質を糖分に変え補うために体内のほかの器官から摂取しようとします。その場合生命維持に必要があまりない髪の毛がターゲットになってしまうのです。結果として健康であった髪の毛が徐々に痩せ、抜けてしまうのです。

糖質制限と抜け毛の関係は?

糖質制限は健康維持を目的とし、体に必要な栄養を供給できるのであれば抜け毛が増えるのではなく、血行が促進され逆に増えていくことが報告されています。しかし過剰な糖質制限は抜け毛が増える原因となります。

糖質ダイエットによる抜け毛の増減を実感するには3ヵ月ほどかかります。これはヘアサイクルの周期によるものです。糖質制限を行うときは、体の無理のならないように行う事がポイントと言えるでしょう。

抜け毛に繋がるその他の生活習慣

年齢や性別、病気など様々な原因が考えられる抜け毛、私たちに生活習慣の中にも抜け毛に繋がる原因が潜んでいます。睡眠不足や暴飲暴食を始め、使っているシャンプーやコンディショナー、また髪の毛の乾かし方など抜け毛に繋がる事が多々あります。

睡眠不足と食生活

毎日の生活に必要な睡眠、体の細胞を再生するために必要な成長ホルモンは夜の10時から夜中の2時の間に最も多く分泌されます。睡眠不足は体の休息が出来ないだけでなく、発毛、育毛にも大きな影響を与えるため、抜け毛の原因になります。また睡眠不足が続くと体がエネルギー不足となり、栄養配分が髪の毛まで回らず、抜け毛の原因にもなります。

髪の毛の成分となるたんぱく質、ミネラル、ビタミンの不足も抜け毛の増加につながります。たんぱく質は体内でアミノ酸に変わり、ケラチンと言う成分になります。アミノ酸からケラチンに変わる際にミネラルとビタミンが必要になります。つまりこれらをバランスよく摂取することが髪の毛にとってはとても大切です。偏った食生活は抜け毛の原因になる可能性があります。

シャンプーが抜け毛を増やす

使っているシャンプーが抜け毛の原因となっているケースもあります。シャンプーの目的は髪の毛や頭皮を清潔に保ち、頭皮の環境を整える事です。シャンプーによっては洗浄能力が強すぎるあまり、頭皮環境に必要な皮脂までも洗い流してしまい頭皮が乾燥状態になることがあります。頭皮の乾燥によって頭皮の古い皮脂などが毛穴につまり、髪の毛の発毛を遅らせる、また成長が遅れる原因になります。

またシャンプーやコンディショナーなどの洗い残しがあると、同じように毛穴に詰まってしまい抜け毛の原因になります。きちんと洗い流す事が必要です。

ドライヤーの使い方によっては抜け毛が増える

ドライヤーの熱の温度は100°ⅽから120°ⅽ。実際に髪の毛に当たる際には70°cから90°ⅽになります。頭皮や髪の毛に高温の風が当たると頭皮のバリア機能が崩れダメージを受けてしまいます。頭皮はドライヤーの風によって乾燥し、頭皮は皮脂の分泌を増やして抜け毛が増える原因になります。

まとめ

男性も女性も抱えている抜け毛の直接の問題は、頭皮の環境が衰えしっかりとした髪の毛を発毛できなくなる事です。そこに至る原因にはホルモンの問題や、食生活また病気によるものなど色々な原因が考えられます。

AGAの様に遺伝によるものであっても、早期に見極め適切な対策を行うことで進行を遅らせる、緩和する事は可能です。自分が抱える抜け毛の原因を理解して、それぞれの原因にあった育毛剤やサプリメントを取るようにしてください。

 


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